これがワイの意見と分析。

RLUSDの導入とXRPとの関係

リップル社は2025年1月に米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」を発行。RLUSDはXRP LedgerおよびEthereum上で発行された。バーゼルⅢでは、ステーブルコインは裏付け資産（現金、短期国債など）の信用力に応じてリスクウェイトが低くなる可能性（例: 20-100%）があり、XRP（1,250%）よりも銀行にとってはるかに扱いやすい資産となる。RLUSDの導入は、規制環境の変化を見越した戦略と推測されるが、リップル社は公式にRLUSDをXRPを補完する資産と位置づけている。

RLUSDが「XRPからの転換方針」かどうかについては議論がある。転換の根拠として、RLUSDの規制適合性やステーブルコイン市場の需要（例: USDT、USDCの普及）により、銀行や企業がRLUSDを優先する可能性がある。一方、XRPはODLでのブリッジ通貨としての独自性を保持し、RLUSDとの補完的関係（例: XRP Ledger内での取引ペア）により需要が完全には置き換えられない。ただし、RLUSDが新たな需要を取り込み、リップル社のリソースや市場の注目がRLUSDにシフトすれば、XRPの相対的地位が低下する可能性は否定できない。


AMMにおけるRLUSDペアとXRPの役割低下

XRP Ledgerは2024年にAMMを導入し、トークンペアでの流動性プールを提供している。RLUSDがXRP Ledger上で発行されることから、RLUSD/XRPやRLUSD/USDCなどの法定通貨ステーブルコインペアがAMMに追加される可能性は高い。リップル社の戦略、ステーブルコインの市場ニーズ、XRP Ledgerの技術基盤を考慮すると、RLUSDペアは安定性を求める金融機関や企業の需要に応え、流動性プールの中心となる可能性がある。これにより、XRPを介した取引（例: USD→XRP→EUR）の必要性が減り、RLUSDを直接使用する取引（例: RLUSD→EURステーブルコイン）が効率化する。

長期的に、RLUSDペアの普及はXRPのブリッジ通貨としての需要を部分的に奪い、XRPの役割が相対的に低下する可能性が高い。特に、バーゼルⅢの規制により銀行がXRPを避ける傾向が続く。RLUSDは規制適合性と価格安定性で優位に立つ。XRPはXRP Ledgerのネイティブ通貨として、RLUSD/XRPペアの流動性提供やODLでの利用を通じて一定の需要を維持するが、RLUSDが主流になればXRPの取引量や市場の注目が減少するリスクがある。


RLUSDの成功とXRPの役割低下の加速

RLUSDが市場で成功すればするほど、XRPの役割は相対的に低下する可能性が高まる。理由として、RLUSDが安定性と規制適合性を求める需要（特に金融機関のユースケース）を吸収し、AMMでのRLUSDペア（例: RLUSD/USDC）が主流になれば、XRPのブリッジ通貨としての必要性が減少する。リップル社がRLUSDのマーケティングや開発にリソースを集中させる場合、XRPのプロモーションや新規ユースケースの開拓が後回しになり、市場心理にもネガティブな影響（例: XRP価格の下押し）が及ぶ可能性がある。

RLUSDの成功がXRPの全需要を奪うわけではなく、変動性を受け入れるニッチなユースケースではXRPが維持される。ステーブルコイン主流化は世の流れ、RLUSDの市場浸透度が高まるほど、XRPの相対的な地位低下は避けがたいと思う。そして、価格は長期的には下がってくると思う。